お知らせと日記
今日はいつも使っているクルミオイルについて書いてみます。
木製品の塗装は沢山の種類がありますが
生徒さんには手軽なオイル仕上げをしてもらっています。
この使用するオイルもいろいろありまして、代表的なのが以下。
・亜麻仁油
・桐油
・荏油
これらは乾性油と言って乾く(固まる)性質があります。
匂いも独特なものがありまして、自分的にはあまり好きではないので
自分のところでは「クルミオイル」を使っています。
上記のオイルよりも乾きは劣るものの、香りや触った感じが優しい感じがするからです。
このオイルを塗料として使用する場合の説明をしようとすると
とっても長い文章になってしまうので、深く知りたい方はググってください。
※クルミオイルについて言いたいことは
・手に入りやすい
・なんだか爽やかっぽい
・ちゃんと塗膜ができる
・実際に目の前でクルミを割ってオイルを抽出できるってワクワクだ
・名前が可愛い
こんな特性でクルミくんを採用しています、僕のところでは。
写真の瓶のあたりにドロっとへばりついているところが
固まっている部分です。外気に触れて酸化して固化するんですね。
ここはこすってもなかなか取れません。で、洗剤でもけっこう落ちないんですよ。
と言ってもオイルなので熱めのお湯でこすっていると落ちます。
この固まる成分が作品を覆ってくれています。
いつも匙やバターナイフを作って最後にオイルで仕上げてますね、あれがソレです。
塗膜(表面の固まり具合)に関しての実際の固まる具合はこんなところです。
しかし強力な塗膜ではありません。
では短所を。
・完全防水ではないので漬け置きはしないほうが吉
・変色が早い(経年変化を楽しめる人にとっては吉)
・かっちり固まっていないので先端の欠けは硬い塗膜のものよりは顕著
・強力な塗膜ではない
・残念ですが湿気が多いとカビ繁殖の可能性があがります
(ただ、木の食器のカビはそんなに悪性か? 、という疑問もあります。)
こんなところでしょうか。
木工品には保護材としてなにかしら塗装を施してあるのがほとんどです。
カンナ一発で仕上げたまな板などは無塗装ですが。
漆、ラッカー、ラックニス、ウレタン塗装、ガラス塗装、ワックス、柿渋、木固め剤、オイル、、、
色をつけるステイン、ベンガラなどもありますね。
最後にツヤ感がなくなってきた場合のお手入れ方法を
1余分な汚れを洗い流して、しっかり乾燥した後に状態を見てボソボソしていなければ布にオイルを湿らして塗布してください。
2ボソボソしていればサンドペーパーでその部分を断ってオイル塗布
ざっくりですがこんな感じです。
年数を超えて良いアンティーク感を出すためには、ほどよいケアが必要です。
あまり短スパンでのオイル塗布はいけません、木の表面が柔らかくなって荒れてしまいます。
表面ほんのちょっとだけ覆ってあればいいんです。
あと、いつも使っている場合は手の擦れや皮脂などの調和でいわゆる
「いい感じ」
になってくると思います。
これは強い化学系の塗料には出せない部分ですね。
自分で作った作品は自分だけのもの。
使用頻度も置き場所も様々ですね。
教室もワークショップももうずいぶんたくさんの方々に食器を作っていただいてもらっています。
いつも使っている方も、しまい込んで忘れてしまっている方も
時々ケアしてあげてくださいね。
今回は「クルミオイル」についてお話してみました。
途中でも書きましたが、下記足りない事柄もあります。
また機会がありましたら違うことについてもお話いたします。
長々とお付き合いをありがとうございました
マコトクラフト
志村誠